[ カテゴリー » 日 記 ]

勘定を払って表へ出ると

 勘定を払って表へ出ると、男はしきりに洟をかみながら待っていた。蓄膿症らしい。(随分威勢のあがらぬ与太者じゃないか)豹一はその男を小馬鹿にしたくなった。男は洟をかんだあとの紙を小さく畳んで袂にいれると、鼻をクスンクスンさせながら、「随いて来い」と、言った。豹一は黙ってうなずいた。 男は御堂筋をナン...

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自尊心を傷つけられた想い

「いやな人!」と、逃げられたら、自尊心を傷つけられた想いに先ず当分は悩まなくてはならない。いや、逃げられるぐらいならまだ良い方だ。「キャッ!」と、声を立てられたりなぞすれば、眼もあてられない。しかも、その可能性はどうやら無限大だった。女はべつに好意を示しているわけでもないと、豹一は思っていた。それど...

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青春の逆説

[#1字下げ]第二部  青春の逆説[#「第二部  青春の逆説」は大見出し]

[#4字下げ]第一章[#「第一章」は中見出し]

[#6字下げ]一[#「一」は小見出し]

「……九十、九十一、九十二、九十三……」 唱名のように声をだして、豹一は数を読みつづけて行った。 豹一は顫えていた。声まで顫え...

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